2021年度「第6回みたかFabコンテスト」審査結果発表

2022年4月20日

「第6回みたかFabコンテスト」では、“デジタルでつくろう。たのしいをカタチに。”をテーマに、カプセル部門と商品化部門の2部門で募集を行い、たくさんのご応募をいただきました。厳正なる審査の結果、以下のとおり入賞作品が決定しました。また、入賞作品展を以下の日程で行います。

入賞作品展

2022年3月15日(火)~3月30日(水)
8:30~17:00(予定)(土・日曜日・祝日は除く)
三鷹市役所1階ロビー(三鷹市野崎1-1-1)

総評

今回は前回を超える数の応募があり、また応募作品のアイデアの幅が広がりました。全体としては、プログラミングなどの新しさよりは、これが欲しいと思う作品を工芸的に仕上げる傾向の作品が多くみられました。商品化部門では、最優秀賞作品の完成度が高かったですが、ここを改善すればという優秀な作品がありました。カプセル部門は、回を重ねる度に作品のレベルが高まり、今回は議論の末に優秀賞を選びましたが、審査委員からは優秀賞に選ばれなかった作品の良い点を推薦する意見も出ました。

審査委員長 小林 昭世
武蔵野美術大学 基礎デザイン学科 教授

入賞作品

[商品化部門] 最優秀賞 / 特別賞(株式会社ウッドボックス賞)

最優秀賞 金魚風鈴
■作品名
金魚風鈴
■氏名
長谷川 貴子
■作品説明
「金魚風鈴」はレーザーカットしたファイバークラフト紙を折って造形、水彩絵の具で着色、防水加工し、市販の風鈴の中に吊るした作品です。安価で入手できるお絵描き風鈴を使用し、広く小学生から一般を客層に設定しました。金魚の素材のファイバークラフト紙は丈夫で固い厚紙ですが、濡らすと柔らかくなるので手で折り曲げて簡単に造形できます。また、水彩、アクリル絵の具で簡単に着色できるので、子供から大人までオリジナルの金魚風鈴が作れます。
■講評
この作品は、繊細な金魚が風の中をゆらゆら揺れながら泳ぐ美しい作品だ。金魚は、平面から立体を作るための緻密なデザインがされ、さらに細い紙を曲げたり、色付けをするために手の技巧が加えられることで、この美しさは実現されている。 シンプルな作品だが、商品原価の低コスト化が見込まれる。また、平面の素材から、お客様の発想に任せた曲面化ができるため、単一のデザインでも多くのバリエーションが可能となる。彩色の方法や、風鈴(ガラス)の品質などに工夫するとさらに良い商品になるだろう。
■使用機器
レーザーカッター

[商品化部門] 特別賞 DMM.make賞

特別賞 文字コマ
■作品名
文字コマ
■所属
D-noum
■氏名
藤井 誠、山田 奈津子
■作品説明
3D プリンターならではの繊細でシャープな立体造形の特徴を活かし、将棋の駒の文字だけを使った文字コマを製作しました。将棋の駒のモジュールを使いながら、文字のデザインをすることで、駒らしさを保ちながら、シンボリックな形が出来ました。モダンな印象と色味に可愛らしさやポップな要素を入れることで、将棋を身近に感じてもらったりインテリアオブジェとしてそのまま部屋に飾ることを目的とした将棋駒です。
■講評
3Dプリンターだけを使った作品で、木のイメージが強い将棋のコマをインテリア雑貨としても飾れるおしゃれなイメージにアップデートされています。販売を考えるとLCD方式での制作よりコストの安い3Dプリントサービスなどをご検討されても良いかと思います。
■使用機器
3Dプリンター

[カプセル部門] 最優秀賞

最優秀賞 ひかりうむ2.1
■作品名
ひかりうむ2.1
■所属
日本大学 生産工学部 創生デザイン学科 遠田研究室
■氏名
須藤 那名香、早川 啓樹、枌 唯香、村松 恵
■作品説明
私たちには身近な模型材料や電子部品ですが、一般の方たちが接する機会はそう多くありません。そのようなパーツに目を向け、余ったり使い古されたりしたパーツをデコレーションに使用しています。3D プリンター、レーザーカッターを使用して作成したLED の光るベースの上に、3Dプリンターで作成したピンセットでデコレーションします。つくるひとそれぞれがオリジナルの〈ひかりうむ〉の世界をつくることができるカプセルです。完成した〈ひかりうむ〉の世界は、カプセルそのものが〈りうむ〉「リウム(arium)=場所」となり、オブジェとしてあなたのそばを照らします。
■講評
この作品は、スノードームのようにカプセルを使い、その中に閉じた夢の世界を作るだけでなく、この光は現実の世界に届き、照らす。さらにこの作品は、マニュアルに従い、あるいはマニュアルにない部品を加えて、自由に制作の幅を広げることができる。
■使用機器
3Dプリンター・レーザーカッター

[カプセル部門] 
優秀賞

優秀賞 うさぎたまご
■作品名
うさぎたまご
■所属
安田女子大学
■氏名
高橋 実優
■作品説明
「うさぎたまご」はイースターエッグをモチーフにした、うさぎのぬいぐるみです。一見普通のうさぎのぬいぐるみのように見えますが、背中部分のマジックテープを開け、からだ全体を収納するとイースターエッグのような見た目になります。布プリンターで印刷した布には小さな卵のデザインも施してあります。実際にエッグハントもでき、部屋に飾って楽しむこともできます。
■講評
これぐらいのサイズの人形は赤ちゃん向けにニーズがあるし、素材を抗菌のものにしたり、洗濯可能なものにすると結構売れちゃうんじゃないかなと思う。卵型にした際の形状を、より卵っぽく工夫できると完璧。ぜひ改良にチャレンジしてみてください!
■使用機器
ワイドフォーマット・インクジェットプリンター

[カプセル部門] 
優秀賞

優秀賞 手のひらビレッジ-塔のある風景
■作品名
手のひらビレッジ-塔のある風景
■所属
PATCHWORK & Service
■氏名
長谷川 聡
■作品説明
作品はインテリア小物や多肉植物が好きな方を対象と考えています。小さな小物で飾り棚やテーブルの上に大きな世界観を反映することを考えて作りました。飾ったりペーパーウェイトとしての使い方を想定しています。上部のオーナメント部分は単独で使用することも可能で、多肉植物やサボテン等の寄せ植えのチャームとして使う事も可能です。カプセル商品としての市場価格に沿ってある程度の事業継続性に対応するために、鋳込み型どりを前提としたコストダウンの方法に工夫を重ねました。
■講評
3Dプリンターを使って商品を作るのではなく、鋳込み型を作成し、セメントで制作して塗装し、コストダウンを実現するという工夫は今までにあまり無かった発想だと思う。ペーパーウェイトにしたり寄せ植えのチャームとして使うにも十分な重さがあって使い方の広がりも感じさせる商品である。
■使用機器
3Dプリンター

[カプセル部門]
優秀賞

優秀賞 コケ、こけし
■作品名
コケ、こけし
■所属
D-noum
■氏名
藤井 誠、山田 奈津子
■作品説明
オブジェとしても飾れるこけしをピンにした卓上ボウリングを考えました。多面体のボールを人差し指で弾いて、コケシピンを倒します。多面体のボールは弾く場所によって、思わぬ方向に転がっていきます。あなたは何本コケシピンを倒せるか。あなどるなかれ、ハマります。
■講評
カプセルトイとして収まりが良く、子連れでの外出時にも重宝しそうである。また、インテリアとしても馴染みやすい色合いとシンプルな形が非常によい。ダイヤカットされたボールは転がる方向が読みづらく、年齢問わず遊ぶ楽しさが広がると思われる。
■使用機器
3Dプリンター

[カプセル部門]
優秀賞

優秀賞 シオリトカゲ
■作品名
シオリトカゲ
■所属
安田女子大学
■氏名
宮木 幸実
■作品説明
本物そっくりのニホントカゲ(幼生)のしおり。普段そこにあるはず、居るはずのないものをしおりにしたら面白いのではないかと考え制作しました。驚きがあり、かつ目を楽しませてくれるだろうとニホントカゲ(幼生)をモチーフに選んでいます。影のみ透けるようにしているため、透けた影の下に文字が見え、しおりとして使用した際、トカゲが実際にページに影を落としているように感じられます。また裏表とも細かく描きこみをしているので本を開いてどちらが表れても目を楽しませてくれます。
■講評
トカゲをモチーフとしたしおりで、本物と見間違えるような仕上がりやユーモアが評価できる。今後、蛍光色のものや笑顔や舌、リボン、腹側にメモ欄を加えるなどバリエーションを増やしても面白く、インパックのしおりとしても生かせる可能性を感じる作品である。
■使用機器
UV プリンター・レーザーカッター

※[商品化部門]特別賞 山田文具店賞の該当作品はございませんでした。

ページトップへ