2019年度「第4回みたかFabコンテスト」審査結果発表
2020年3月27日
「第4回みたかFabコンテスト」では、“デジタルでつくろう。ハッピーをカタチに。”をテーマに、一般部門と商品化部門の2部門で募集を行い、たくさんのご応募をいただきました。厳正なる審査の結果、以下のとおり入賞作品が決定しました。また、入賞作品展を以下の日程で行います。
入賞作品展
- ■三鷹産業プラザ1階
(三鷹市下連雀3-38-4) - 2020年3月27日(金)~4月7日(火)
- ※3月25日(水)より三鷹市役所で開催しておりました入賞作品展は、都合により3月27日(金)より
- 三鷹産業プラザ1階に会場を変更して開催いたします。(2020年3月27日追記)
総評
Fabコンテストは2019年度で第4回を迎えました。全国からまた幅広い年齢層から応募がありました。専門的・職業上の制作、学校・大学での課題、生活に必要な道具、Fabの機械や素材に想像力が刺激された作品、など制作の動機は多岐にわたっています。特に、二次審査には、ユニークなアイデア、高い技術、社会的な必要性に基づいた作品が残りました。これらの作品は、今後、造形のフィニッシュワーク、制作技術を洗練させることによって、さらに優れた作品、商品となるに違いありません。ハードウエア制作だけでなく、作品の完成度を上げるための造形や技術支援のためにもFabスペースが制作を支援できるものと期待します。
審査委員長 小林 昭世
武蔵野美術大学 基礎デザイン学科 教授
入賞作品
[一般部門] 最優秀賞

- ■作品名
- ユニバーサルデザインペットボトルキャップ
- ■所属
- わくわくミライエンジニア教室
- ■氏名
- 伊藤 悠人(中学2年生)
- ■作品説明
- 力の弱い人でも開けしめできるようにキャップの周囲に凹凸をつけたユニバーサルデザインのペットボトルキャップです。手が不自由な人や高齢者の方を幸せにします。オーダーメイドでの製作も可能です。現在は以下の2種類を作っています。 ①耳付きキャップ 3カ所に3つの凸凹をつけ開けやすくしたキャップ ②鍵キャップ 縦に長く穴の空いているキャップでペンを穴に通して開けるか、もしくは口でくわえて開けることが出来るキャップ
- ■講評
- 普通に利用できる3Dプリンターで実用的なものを作るのは簡単なようで難しい。この作品は日常的なことの問題解決として3Dプリンターの特性をうまく活用できる。機能やデザインなど利用者のニーズに合わせて細かいオーダーを受けられる要素がある。
- ■使用機器
- 3Dプリンター
[一般部門] 優秀賞

- ■作品名
- Egg Lamp
- ■所属
- 慶応義塾大学
- ■氏名
- 若杉 亮介
- ■作品説明
- FFF方式の3Dプリンターは、積層する向きや射出の間隔などによって、素材同士の接着力が変化します。この特徴を用いることで、意図した部分を壊れやすくする造形方法を実現しました。
今回は卵をモチーフにしたランプシェードを作成しました。卵の殻を割っていくことで光が強くなっていくランプシェードは、ユーザーが使っていく中で自分の部屋に合った明るさに調節することができ、自分だけのランプシェードを作ることが可能になります。 - ■講評
- FFF方式固有のクセを逆手にとった作品で、アイデアが秀逸です。デメリットにも思える特性を個性に変える発想とプロダクトデザインに、デジタル・ファブリケーションだからこそできる「遊び」と「冒険心」を強く感じました。
この調子でユニークな作品を作りづづけてほしいですね。 - ■使用機器
- 3Dプリンター
[商品化部門] 最優秀賞

- ■作品名
- MANE筋ダンベル
- ■所属
- アースリートデザイン
- ■氏名
- 岸下 顕師
- ■作品説明
- ダンベルといえばどこか無骨なイメージ。そんなダンベルを身近で洗練した形で楽しむことができないか。元マネキンデザイナーが美しい人体モデルを持ちやすくデザイン開発し、更に鑑賞用としてもリビングなどに置くことができる。
そして天然の桧を使っているのでアロマ効果も抜群。重りはオリンピックの「金銀銅」をイメージしたものとなっており、鑑賞することでもスポーツフィットネスをすることの素晴らしさを想起させる。 - ■講評
- ヒノキの素材を生かした美しい人体をモデルに成っているため、鑑賞用として玄関やリビングに置いておくと心が和み癒し効果も生まれる。またダンベルとして軽い筋トレをする時に使用しても木部を握るので体と心によい効果があると思われる。
存在感があり目を引くので商品としてかなりの完成度である。 - ■使用機器
- レーザーカッター・CNC木工旋盤・ワイヤーカット放電加工
[商品化部門] 特別賞
ウッドボックス賞

- ■作品名
- まほうえほん~まほうつかいと星のこども~
- ■所属
- -
- ■氏名
- 熊田 南海子
- ■作品説明
- 絵本とマジック道具のセットです。
空から落ちてしまった星のこどもを、まほうつかいの女の子がたすけるお話です。
“女の子がまほうをかけると、星のこどもがふわふわと浮いてお空に帰ってゆく”というシーンをマジックで演じることができます。
動画を見ながらおぼえられますので、マジックをするのが初めての方でも分かりやすく、簡単に演じることができます。 - ■講評
- シンプルなアイデアでありながら、小さなお子様たちの興味を引く作品となっています。同様のアイデアでシリーズ化が可能であり、対象となるお客様を明確にし、パッケージ等を工夫することにより、商品化が可能と思います。
- ■使用機器
- レーザーカッター、UVプリンター
[商品化部門] 特別賞
名取屋賞・山田文具店賞

- ■作品名
- notch
- ■所属
- -
- ■氏名
- 魚森 稜也
- ■作品説明
- “音と振動で長さを測る“ことができるテープカッターです。1㎝ごとにクリック音が鳴り、振動するので、長さを測らずとも必要な長さのテープを切り出すことができます。
「長さをきれいに揃えたい」「無駄遣いを減らしたい」そんな日常の煩わしさから解放される商品です。また目で測ることなく、感覚的にテープを切り出せるので視覚障がい者の方でも使用することができます。
本当の意味でのユニバーサルデザインを実現した商品です。 - ■講評
-
【名取屋賞】音で長さを測るというコンセプトは新しくてとても良いと思う。紙テープしか使えないという点がネック。セロハンテープまで使える強度ができるようになれば、店で販売するのも可能だと思う。【山田文具店賞】音によって1㎝単位で測ることができるという発想がおもしろいことに加えてデザインがシンプルで、万人受けすることと価格のバランスが良いので、当店のお客様と合うのではないかと思いました。
- ■使用機器
- 3Dプリンター
[商品化部門] 特別賞
まちづくり三鷹賞

- ■作品名
- パズルストラップ
- ■所属
- 日本大学 生産工学部 創生デザイン学科 内田研究室
- ■氏名
- 神保 洋太・原 清胤
- ■作品説明
- カギや交通系ICなどを家のどこに置いたか忘れてしまうという問題を解決するために、“使ったモノを必ず決められた場所に戻すように誘導してくれる”パズルストラップを制作しました。
また、パズルのピースをはめ込むという動作には、色の判別・図形の認識・空間把握など、脳を働かせ、指先を使うことが必要となるため、そういった機会を高齢者の方が日常生活の中で自然と得ることができるようになるのではないかと考えました。 - ■講評
- 日常的に使うがどこに置いたか忘れてしまいがちな小物を、決められた場所に戻すという視点で作られた道具である。パズルのように色や形がそれぞれ違うピースをはめ込むことで、利便性に加え、使う楽しさが感じられる。家族や職場でカギを共有する場合等にとても便利でよいアイデアだと思う。
- ■使用機器
- 3Dプリンター